教員一覧

  海老原 聡 教授
  • 研究室名:地球電磁波計測工学研究室
  • 研究テーマ:
    1.地中を電波で計測するためのレーダシステムの開発と研究
    2.不均質な媒質中のアンテナに関する研究
    3.誘電体を用いた電力伝送に関する研究
  • 研究内容:
    電波の特徴の一つに、通過しやすさ(透過性)があります。これを利用すると、見えないところにあるものを見つけることができます。例えば、地面の中。地面から数cmの下にあるものも私たちの目ではもう見えません。これは、目を上へ向けると、大気中では数km先が見通せることがあるのとは対照的です。地面の中の計測にも、電波の透過する力が発揮できます。
    重要な建築物や施設をつくる際には、必ずボーリング調査をして地面を掘削します。折角できた穴を有効に利用して、穴の中で電波を送受信すると大深度にある断層、き裂や地下構造がはっきりとわかり、これはボアホールレーダと呼ばれます。本研究室では、このボアホールレーダによる地中計測の設計に関する研究、計測システムの試作や実際のフィールド計測への適用について研究します。さらに、本研究室で開発したボアホールレーダを世の中に供給できるよう、企業と共同で製品化するためのプロジェクトを進行させています。また、マイクロ波を用いた新たな地下計測法の研究開発やその計測機器への電源供給を目的とした電力伝送法の研究もすすめています。
  民田 太一郎 教授
 
  • 研究室名:パワーレクトロニクス研究室
  • 研究テーマ:
    1.パワーレクトロニクスを用いた特殊電源の開発
    2.パルスパワー電源と高電圧パルスを用いた非線形現象の研究
    3.放電・プラズマ応用技術
  • 研究内容:
    パワーエレクトロニクスとは半導体を使って電力をいろんな形に変換して用いる技術で、家電、鉄道や自動車、電力機器など世の中のありとあらゆるところに用いられる縁の下の力持ちともいえる技術です。近年のパワーエレクトロニクスの発展によって電気製品はどんどん小さく省エネになりました。
    一方パルスパワー技術とは、電力を極めて短い時間に集中させて瞬間的に高い電圧や電流を印加することで、通常は見ることができないような特殊な物理現象を生じさせる技術です。パワーエレクトロニクスの進歩で電源の小型化が可能になり、産業に役立つさまざまな用途が期待されています。
    本研究室では、パワーエレクトロニクスやパルスパワーの技術を用いて、特殊な電流電圧波形を出力できる電源を開発し、これを用いて放電・プラズマの発生や特殊な加工など、さまざまな研究を行います。
  富岡 明宏 教授
 
  • 研究室名:微小光学研究室
  • 研究テーマ:
    1.有機ELデバイスの基礎研究
    2.有機分子材料の高機能化とミクロ・ナノ発光体の作製
    3.タッチパネル・薄膜シート太陽電池用半透明電極の試作
  • 研究内容:
    1.有機発光材料は新しいタイプの「半導体」です。シリコンなど従来の半導体とは異なる「伝導機構」で導電性を発現します。この違いが、直射日光下でも見える明るい画面、あざやかな色を実現すると期待され、発光材料を分子レベルで工夫する基礎研究を行っています。
    2.この分子レベルでの工夫を推し進め、超高解像度のディスプレイにつながる、ミクロ・ナノサイズの微小発光体作製にも挑戦しています。
    3.iPhone、iPADの普及によりタッチパネルの高機能化が進んでいます。0.1mm離した2枚の半透明な導電性シートのどこを指で押したのか、2点以上を同時に押してもその位置を高速に検出するためには、シート抵抗値を20Ω以下にすることが求められ、開発競争が始まっています。稀少金属インジウムを使う現状の半透明シートに替わるものとして、私たちは(a)銀ナノファイバーを作りスプレーで吹き付ける方法、(b)導電性高分子を活用する方法を研究しています。
  中瀬 泰伸 教授
 
  • 研究室名:集積回路研究室
  • 研究テーマ:
    1. エネルギハーベスト(環境発電)用超低電力電源回路に関する研究
    2. デジタル技術によるアナログ回路の低電圧化に関する研究
    3. 低電圧に強いデジタル回路に関する研究
  • 研究内容:
    集積回路は1960年代に発明されてから集積度がするにつれて、低電力化と高速化の両立が重要な課題となっています。最近、センサネットワークに用いられるセンサ端末、スマートフォンに代表される携帯端末、直接身に着けるウエアラブルデバイスなど、自然エネルギや電池を電源とする情報端末が急増してきました。そこでは使用できるエネルギ量が限定されるため、低電力化がより深刻になってきています。その要求に加工技術の微細化により応えてきましたが、コストが膨大になるとともに物理的限界に近づきつつあります。
    研究室では、回路の改善による低電力化を研究します。具体的には、太陽や振動の自然エネルギを活用して一定電圧を生成するDC-DCコンバータ、デジタル技術によるアナログ回路の低電圧化(例えば、従来の電圧に代わって時間分解能を利用するアナログ/デジタル変換器など)、および低電源電圧でも安定して動作するデジタル回路の研究です。
松浦 秀治 教授
  • 研究室名:半導体電子デバイス研究室
  • 研究テーマ:
    1.食物・土壌・体内の有害元素及び放射性元素を検出できる半導体デバイスの設計と研究・開発
    2.塗布型有機薄膜デバイス(太陽電池、トランジスタ)の作製と評価
    3.次世代半導体の電気特性の評価方法の研究
  • 研究内容:
    1.日本では、米1kgに有害元素であるカドミウムが0.4 mg(250万分の1)以上含まれていると販売できません。このような極僅かな元素を検出できる、高性能かつ低価格の半導体X線検出デバイスを、コンピュータにより設計し、設計を基に試作したデバイスを測定し、最適なデバイスの開発を行っています。
    2.有機薄膜を用いた、太陽光を電気に変換できる割合が高くかつ低コストで、塗ったり貼ったりできる太陽電池の研究も行っています。特に、学問的に必要な、有機薄膜太陽電池の動作原理の研究を行っています。
    3.現在主流である半導体はシリコンですが、温度が上がると誤動作します。そのため、パソコンの中にファンや放熱板が入っています。電気自動車で用いることを考えると、200℃以上で動作する半導体デバイスが必要となります。そのため、シリコンカーバイドやダイヤモンドの電気的特性を調べています。
渡邊 俊彦 教授
  • 研究室名:知的システム研究室
  • 研究テーマ:
    1.人工知能実現のための強化学習などの機械学習技術・データマイニングの研究
    2.ファジィ理論、進化計算などのソフトコンピューティング技術の基礎研究
    3.コンピュータビジョンの要素技術の研究開発
  • 研究内容:
    近年、ハードウェア技術の進歩による処理の高速化や記憶の大容量化などコンピュータ技術は大きく発展しています。また、二足歩行や新しい機構の設計など機械技術や計測技術の進歩によりロボット技術も大きく発展しようとしています。しかし、人間と同等の知能を持って処理や判断、動作を行うロボットやコンピュータの実現にはまだまだ多くの課題が残されています。
    本研究室では、主としてソフトウェア技術の研究開発の観点で、このような「賢いコンピュータやロボット」の実現に向けて不可欠な学習技術の研究や新しい計算パラダイムの研究に取り組んでいます。また、特に三次元計測や三次元復元などへの応用を目指し、画像処理や信号処理、統計処理をベースとしたコンピュータビジョンの要素技術についての研究開発に取り組んでいます。
伊藤 義道 准教授
  • 研究室名:システム制御工学研究室
  • 研究テーマ:
    1.制御系の解析・設計に関する研究
    2.複数のカメラ映像による物体の3次元形状復元に関する研究
    3.映像・音声メディア処理に関する研究
  • 研究内容:
    制御とは、人が意図した望ましい振る舞いをシステムにさせることです。飛行機を安全に目的地まで飛ばすこと、ロボットが倒れないようにバランスを保つことはもちろんのこと、身近なところでは、エアコンが部屋の気温や湿度を適切に保ったり、カメラがピントを自動的に合わせることなど、全て制御の技術が使われています。システムに望ましい振る舞いをさせるためには、そのシステムの性質をよく理解し、適切に記述することが必要になります。その際、数学が非常に重要な働きをします。システムに望ましい振る舞いをさせたいという工学の問題を、解き方がよく知られている数学の問題におきかえて解くわけです。
    当研究室では、このような考え方を制御系の設計、コンピュータビジョン、メディア処理における様々な問題に対して適用し、Cなどのプログラミング言語を使って、実際に動作するシステムを作成します。
濱田 俊之 准教授
 
  • 研究室名:高電圧・電力工学研究室
  • 研究テーマ:
    1.太陽光発電システムの安全性向上に関する研究
    2.大気圧非平衡プラズマを用いた材料表面処理技術に関する研究
  • 研究内容:
    近年、地震や豪雨など大規模災害が毎年のように発生しており、電力供給の世界ではいかに災害時に安全停止・復旧できるか(エネルギーレジリエンスと呼びます)というエネルギーの安全保障と持続可能な発展が世界的な課題となっています。例えば、太陽光発電は安全でメンテナンスフリーな発電方式と一般的に認識されています。しかし、太陽光発電は光が照射される限り発電を停止できません。そのため、故障すると自身で発電したエネルギーが原因で感電事故や火災を引き起こすリスクがあります。当研究室では高電圧技術をもとにした太陽光発電など再生可能エネルギーの安全性の検証や安全性を向上できる設備構造・システムの開発に取り組んでいます。そして、再生可能エネルギーが健全かつ持続可能に発展することを目指しています。また、そのほかにも当研究室では高電圧や放電に関する技術を応用したプラズマ表面処理技術の開発など幅広い高電圧・電力工学に関する研究を展開しています。